熊本の地震で現地に入り福岡市からの物資を管理する業務に当たった福岡市職員の意見は生々しい現場の現実と、電話という従来のコミュニケーションツールと、LineやSlackなどのチャットツールのメリット・デメリットを述べていました。

 

「みんな電話で時間と労力を奪われる」

電話というコミュニケーションツールは1対1のコミュニケーションツールです。1人の意見を聞くのに非常に時間と労力を取られます。聞き間違いというリスクや、電話を行いながらメモを取るなど、効率性が落ちやすいツールです。

対してチャットツールは100人も200人も同時に会話が可能です。メモを取る必要もありません。

福岡市の職員さんはノートパソコン一台で現地に入り物資の処理に追われたそうですが、福岡市の技術職員が作成した物資管理のためのツールは使用せずに、LineやFacebookでのグループを作成して、電話の応対する時間をなるべく取らない方向で動かれたそうです。

 

慣れないツールを提供されても普段から使っていないので戸惑う

緊急時だけに使用するツールを同じ福岡市の職員が作成したツールでも使わなかった理由としては「慣れていないツールの使用でミスが多くなった」ことを挙げられていました。

日常で連絡に使用しているチャットツールでの連絡は自分が作業している時にログを追えばいいですし、それを普段に使用しているエクセルに記入した方が確実性が上がります。緊迫した状況では信頼感の置けるツールを使用することで、自分自身の安心感も得られます。

ようやく共有のツールとして福岡市の技術職員の作成したツールが普及した時に、自衛隊や他の行政の職員に薦めた時にも「慣れているツールがいい」「既に業務から外れるから必要ない」と断りを貰ったようです。

アプリケーションを活用して防災・減災を行うには「日常という時間軸でも利用されるツール」の延長にないと、緊急時だけ使用するツールでは信頼性や、操作をしてもらう時の戸惑いや不安を取り除くことはできないようです

 

ボランティアは烏合の衆である

DSCF1159「災害が発生して即座に駆けつけるボランティアの方、これは烏合の衆です」

過激な発言に思えますが、これは非常に的を得た意見です。居ても立っても居られないと、「リュック一つで来る」「自家用車で来る」

災害が起きるたびにボランティアの名乗りをあげる団体が多いですが、行政や国の初動の遅れとなる「渋滞の原因」になっています。さらに物資を持って来ない、ゴミを捨てて帰る、被災者へ配給された食料を受け取って浪費するなどの問題行動が災害が起きるたびに問題化しているようです。

これからの防災・減災のマニュアルとして「ボランティアのあり方」も課題になっていくでしょう。

加えてボランティアでもない、身内の窮地を助けるための行動も一定の理解はされますが、難しい課題になっているようです。

 

水と米はすぐに余り出す物資

災害地の状況にもよりますが熊本地震・新潟地震では米と水は3日もしないうちに余り出した。

福岡市から持って行ったカロリーメイトや乾パンなどの支援物資は、非常に余剰して処理に困った事態になりました。

 

テレビなどの報道が過熱して、被災地の窮状を過剰に伝える演出をするために食料品の無くなった棚を移す映像や、非常に一部のSNSの画像を何回も何回も報道しますが、これまでの災害では「遅くても3日」で食料を被災者に支援する仕組みができます。

 

食料の確保は行政側でも最優先事項ですので支援物資として民間から支援されても処分に困るようです。

東北の震災の時にも物資が余ってしまい、その焼却処理費用に2000万円もかかりました。

 

毛布や衣類も古着などは敬遠されます。

 

これは被災地が衛生的に不安定な状態にあり、水道や電気の復旧までトイレの問題が最大の問題になります。

トイレに行きにくい環境ではヒトは水分を補給することを本能的に控えてしまいます。

水分の補充は実は口内の細菌を洗い流すことにもつながりますので、被災地のヒトの口内環境は普段よりもかなり深刻に不衛生になっています。

 

さすがにトイレまでTechの力でどうにかするのは無理があるように思えますが、トイレにヘルスセンサーを付けて避難所の入居者のストレスや、健康管理に取り組むなどの試みがなされるなど、試験的な試みが続いています。

避難所と避難場所は行政用語/改善を要請

東北大震災の時の小学校の事件は痛ましいものがあります。

避難所となっていた小学校まで津波が押し寄せ、尊い子供達が犠牲になりました。

 

日本財団災害復興支援センター熊本支部シニアオフィサー・黒澤氏は「アプリケーションを作成されるなら、行政用語のような理解が難しいものは極力に無くして欲しい」と強く訴えます。

DSCF1163

「避難場所と避難所は違います。

避難所は安全な場所でもなんでもありません。ただみんなが避難している場所です」

 

安全な場所と誤解していた避難所は実は安全ではなく、ただ避難している人が集まっている場所という事実があります。これから取り組みされる人にはこれを肝に命じて取り組んで欲しいと語気を強くおっしゃいます。

 

確かに現場で死ぬような思いをされて指揮を取り続ける責任者の言は違います。

今回のBousaiサミットの取り組みは賞賛されるものですが、原体験された被災者にとっては「アプリケーションは災害を商業主義的に捉えて取り組んでいる」とうつっても仕方ありません。

 

このプロジェクトに取り組む参加者として、賛否両論ある中でも課題の解決を最優先事項として取り組むべきと考えます。しかし課題の多さと範囲の広さには戸惑います。

1 赤2 3 続く