東京大学医科学研究所が導入した2000万件もの医学論文を学習した人工知能が、専門の医師でも診断が難しい特殊な白血病を僅か10分ほどで見抜き、治療法を変えるよう提案した結果、60代の女性患者の命が救われたことが分かりました。

(引用 NHK NEWS WEB

2015年の半ばくらいから人工知能の国内の研究が急速に進んでいます。

これは「ディープラーニング」という技術の貢献が大きく、その機能を活用することで人間には難しかったことが可能になりました。

ディープラーニンぐ

このディープラーニングの技術はビッグデータ、つまり大量のデータをもとにその傾向や、特定の異例に当てはまる条件などを推測したり、結論を導き出す方法などをコンピューターが自動で学習してくれます。

 

学習したそれらの方法は「アルゴリズム」と言います。

「前例から推測された結論を導き出す」ことは人工知能の得意分野です。

 

例えば医療や法曹の世界では症例や判例という「前例」が多々あります。

特に法曹の刑法の分野では3人以上の殺人は死刑か無期懲役、窃盗の初犯は「執行猶予付き懲役に加えて罰金刑」というようにある程度は決まっている部分も多く、刑法は人工知能が取り組みやすい分野と言えます。

 

しかしその刑法の近親の「民法」はかなり自由な法律です。契約自由の原則や、成年後見人制度など、非常に専門的な用語や概念が出てきます。こういう場合でもデータを大量に集めれば、人工知能もそれなりに結論を出してくれるのですが、民法の揉め事は杓子定規に測れない事情が存在する場合が多数あるので、裁判官も悩むことが多いと聞きます。

 

なので、完璧に決め打ちで結論を出せない場合があるときは人工知能も考えられる範囲での結論を割合にして表現します。

50万円から100万円の間で賠償額を決めないといけないなら、このケースでは50万円が50%、60万円が10%,70万円が20%で・・・と選択肢によって振り分けて判断の材料を提示するに留まります。

2016-08-05_09-51-04

人の生死に関わる病気の症状から読み取れる範囲での選択肢の提示という点から見ても、人工知能は必ずしもその職業を奪うわけでも、優秀なわけでもありません。今の段階では「非常に優秀なアシスタント」と見る方が正しいでしょう。

 

弁護士も医師も非常に大量の知識を要求されます。この「記憶」という部分を人工知能が補い、そして結論を導き出す補助を人工知能が行ってくれます。両者の職業も専門性が高く、そして人の生活に大きな影響を与える分野です。

 

現時点での人工知能は「優秀なアシスタント」です。

そしてそのアシスタントは専門の人の業界全体の職能の平均水準を引き上げる役割を担っていくでしょう。