普通借家から定期借家へ「切り替え」できる?居住用の重要な制限と注意点
「更新のたびに気をつかう普通借家を、期間で区切れる定期借家に切り替えたい」── そう考える大家は少なくありません。ところが、ここには見落とされがちな重要な制限があります。とくに居住用では、今ある普通借家を合意で定期借家に切り替えることが当分の間できないとされているのです。この記事では、切替にまつわる基礎と注意点を一般的に整理します。
1.普通借家と定期借家の違い(おさらい)
まず前提の確認です。普通借家は借主の保護が厚く、大家から終了させるには正当事由が必要とされ、更新が前提になります(→記事11 正当事由)。一方定期借家は、契約期間の満了で更新なく確定的に終了するのが特徴で、契約には事前説明書面などの手続きが必須とされます(→記事10)。
2.なぜ「切り替えたい」と思うのか
大家が切替を考える背景には、「将来の建て替え・自己使用に備えたい」「更新拒絶の正当事由のハードルが高い」といった事情があります。期間で区切れる定期借家のほうが、出口を見通しやすいと感じるわけです。ただし、この希望がそのまま実現できるとは限りません。
3.居住用は「合意切替ができない」とされる
これを知らずに「更新のタイミングで定期借家に変えよう」と進めると、意図した効果が得られない・トラブルになるおそれがあります。居住用での切替を考えるなら、まず専門家に可否を確認することが不可欠です。
4.事業用は切り替えられるとされる
一方で、店舗・事務所など事業用の建物については、合意によって普通借家から定期借家へ切り替えられるとされています。同じ「切替」でも、居住用か事業用かで扱いが大きく異なるのがこのテーマの核心です。
自分の物件・契約が居住用か事業用か、そして個別の事情でどう扱われるかは、専門家に確認しましょう。
5.切替の一般的な流れと注意点
切替が可能なケース(事業用など)でも、手続きには注意が必要です。一般に、いったん今の契約を合意解約し、あらためて定期借家契約を結び直すという形が語られます。その際、次のような点が重要とされます(具体的な進め方は専門家へ)。
- 入居者の合意が前提(大家が一方的にはできない)
- 定期借家として有効にするための事前説明書面などの手続き(→記事10。抜けると普通借家扱いになるおそれ)
- 条件変更が入居者に不利になりすぎないかなどの配慮
- 合意の内容を書面で明確に残すこと
6.アプリは「契約・書面の記録」を助ける
大家賃貸ノートは、契約の形態や書面を記録するところをサポートします。普通借家か定期借家か、事前説明書面や合意書の有無、契約期間や更新の状況を契約にひもづけて残せるため、専門家に相談するときに状況を正確に伝えられます。
定期借家への切替は、「居住用は当分の間できないとされる/事業用は可能とされる」という違いが最大のポイント。希望だけで進めず、まず自分の契約の種別と可否を専門家に確認することが大切です。契約形態と書面を記録しておけば、その相談がスムーズになります。
大家賃貸ノートは、契約形態(普通/定期)・事前説明書面や合意書の有無・期間や更新の状況を契約にひもづけて記録できます(契約の切替・可否判定・契約書作成は行いません)。記録が整っていれば、切替を検討する際の専門家相談もスムーズです。データは国内に保存し、端末ロックで守ります。まずは無料でお試しください。
App Storeで大家賃貸ノートを見る※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の契約の切替手続き・可否を判断・指南するものではありません。普通借家・定期借家の切替に関する判断は、弁護士・司法書士・宅地建物取引業者などの専門家にご相談ください。制度・取り扱いは改正等で変わりうるため、最新情報を確認してください。
1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。