修繕履歴ガイド · 写真 · 領収書 · 資本的支出/修繕費

修繕履歴と領収書を、物件ごとに残す。

退去精算で根拠を求められたとき。物件を売却して説明資料を出すとき。確定申告で修繕費と資本的支出を分けるとき。——修繕履歴が「物件ごとに残っている」かどうかは、賃貸経営の3つの場面で結果を左右します。 大家賃貸ノートは写真・領収書・設備カルテ・税務区分を、すべて物件・ユニット・設備に紐付けて残します。

これまで

  • 📷 修繕写真はカメラロールに散らばる
  • 🧾 領収書は紙の封筒・LINE・メール添付
  • 🔧 「給湯器いつ換えたっけ」が思い出せない
  • 📒 退去精算の根拠資料が手元にない
  • 📂 修繕費と資本的支出が混在したまま

大家賃貸ノート

  • 📷 物件・ユニット・設備に紐付いた写真
  • 🧾 業者・登録番号付きで領収書を構造化
  • 🔧 設備単位の修理タイムラインで履歴が即見える
  • 📒 退去・売却・税理士共有にそのまま使える
  • 📂 修繕費/資本的支出を必須選択で記録

Why It Matters

修繕履歴が必要になる、4つの場面

修繕の記録は、「今日のため」ではなく「いつか必要になる日」のために残します。 その「いつか」は、賃貸経営において確実に訪れます。

退去精算のとき

「この壁の傷は前の入居者からあったか?」を裏付ける写真・修繕履歴がないと、原状回復の交渉で根拠を失います。大家賃貸ノートは入居前後・修繕前後の写真を物件・ユニット単位で保持します。

物件を売却するとき

築年数の古い物件ほど、修繕履歴の整備が買主への説明材料になります。設備の交換時期・保険適用歴・業者情報まで含めた建物カルテとして10年スパンで残せます。

確定申告のとき

修繕費(その年の必要経費)と資本的支出(減価償却)の区分は所得計算に直結します。領収書・見積書・請求書を3点セットで紐付け、勘定科目別CSVで税理士へ共有できる形にします。

火災保険を請求するとき

保険法95条で原則3年の消滅時効。修繕の発生日・原因・写真・業者見積を即時に取り出せる状態でなければ、本来受け取れた保険金を逃します。30日/90日の時効リマインドも内蔵しています。

4 Pillars

修繕履歴管理の4本柱

写真・領収書・建物カルテ・税務区分。 この4つを物件単位で紐付けて残すことが、賃貸経営の事務を整える出発点になります。

Pillar 01

写真管理

修繕前・修繕後・完了写真を、物件・ユニット・設備に紐付け。

撮った写真は単独で残りません。「いつ・どの物件の・どの部屋の・どの設備の・どの修繕で撮ったか」が、修理レコードと一体で保持されます。

  • 見積/請求/領収/完了写真の4スロットを別々に保持
  • iPhoneのカメラから直接取り込み
  • 物件・ユニット・設備(給湯器・エアコン等)に紐付け
  • 修繕前後の比較ができる時系列ビュー
  • 退去立会いでの撮影もアプリ内に統合

Pillar 02

領収書管理

業者・登録番号・税区分まで構造化して保存。

領収書は経費レコードと修繕レコードの両方に紐付きます。インボイス制度の適格請求書発行事業者番号(T+13桁)も業者ごとに保持し、確定申告期にバラバラ探さない仕組みです。

  • 領収書をカメラ撮影でそのまま記録
  • 業者名・登録番号(T+13桁)を vendors マスタで共有
  • 金額(税込/税抜/税額)を分離保持
  • 税区分(課税/非課税/不課税/免税)
  • 支払方法(現金/振込/カード)も記録
  • 保険適用の有無(火災保険・施設賠償)

※レシート画像保存は電帳法スキャナ保存制度の要件(タイムスタンプ等)は未充足のため、紙原本は別途7年間保管してください。

Pillar 03

建物カルテ(設備タイムライン)

給湯器・エアコン・コンロ単位で、10年スパンの履歴を残す。

「この物件、給湯器いつ換えたっけ?」が、設備をタップした瞬間に出てきます。設置日と耐用年数から、次回の交換目安も参考表示されます。

  • 設備マスタ(給湯器・エアコン・コンロ等)と修理レコードを連結
  • 設備単位の修理タイムラインを縦方向の年表で表示
  • 設置日 + 耐用年数 → 次回交換目安を自動算出
  • 同一設備で年内3件以上の修理が起きると更新提案バナー
  • 費用累積で「修繕より交換が安い」判断材料を提供

Pillar 04

資本的支出 / 修繕費ガイド

区分の参考目安は示します。最終判定は行いません。

所得税基本通達37-10〜37-14に基づく参考ガイドを表示しつつ、「自動判定」はしません(税理士法52条への配慮)。判断は税理士・ご自身に委ねた上で、必要な記録だけを構造化します。

  • 会計区分(修繕費/資本的支出/不明)の3択を必須選択
  • 「不明」を選んだ場合は税理士相談ヒントを表示
  • 資本的支出を選ぶと「修繕費としての経費自動生成は行いません」を明示
  • 金額・周期・耐久性向上の有無を参考ガイドとして案内
  • 判定根拠(金額20万円未満・3年以内周期等)を参考表示のみ

Document Slots

ひとつの修繕に、4種類の書類スロット

修繕レコードには「見積書/請求書/領収書/完了写真」の4スロットがあり、 それぞれが別ファイルとして紐付きます。書類は7カテゴリの保存期間を自動算定する書類保存モジュールへ。

Slot

見積書

業者からの見積書PDF・画像を修理レコードに紐付け。複数業者からの相見積も別ファイルとして保持できます。

Slot

請求書

業者からの請求書。インボイス番号(T+13桁)はvendorsマスタ側で保持し、書類本体は documentsテーブルへ。

Slot

領収書

経費レコードと修理レコードの双方から参照可能。物件別ZIPでの一括エクスポートにも含まれます。

Slot

完了写真

修繕前・修繕後・完成写真をまとめて保管。退去精算や保険請求時の根拠資料としてそのまま使えます。

※修繕関係の書類保存推奨年数は10年。保存期限切れ30日前にローカル通知が届きます。

Accounting Guide

資本的支出 vs 修繕費、参考ガイド

所得税基本通達37-10〜37-14に基づく区分の考え方を、参考としてご案内します。

⚠ アプリは自動判定を行いません。最終判断は税理士またはご自身にお任せください(税理士法52条への配慮)。

その年の必要経費

修繕費

原状回復・通常の修理など、使用可能期間の延長・価値の増加を伴わない支出。

  • 1取引 20万円未満
  • 概ね3年以内の周期で発生する修繕
  • 通常の維持管理に必要な修理
減価償却の対象

資本的支出

使用可能期間を延ばす、または資産価値を増加させる支出。耐用年数に応じて減価償却します。

  • 屋根・外壁の全面葺き替え/塗装
  • 古い設備を機能向上した新型に更新
  • 間取りの大幅変更・耐震補強
保留せずに税理士相談

不明

判断が難しい修繕は、不明として記録し税理士へ確認する経路を残します。アプリが断定することはありません。

  • 「不明」を選択すると相談ヒントを表示
  • アプリ側で自動的に修繕費へ寄せない設計
  • 資本的支出を選ぶと経費自動生成も停止

アプリの動き — 区分ごとに何が起きるか

  • 修繕費 →勘定科目「修繕費」での経費レコード自動生成プレビューが表示され、承認すると経費モジュールへ反映されます。
  • 資本的支出 →「修繕費としての経費自動生成は行いません」と明示し、誤って一括費用計上することを構造的に防ぎます(DBトリガで強制)。
  • 不明 →「税理士にご確認ください」のヒントを表示し、勝手にいずれかへ寄せることはしません。

Bearer

費用負担区分(民法606条/607条の2)

賃貸人負担・賃借人負担・按分の3区分で記録できます。 民法606条(賃貸人の修繕義務)・607条の2(賃借人による修繕)の論点を構造化しています。

賃貸人負担(landlord)

建物本体・給排水・構造躯体の修繕(民法606条)など、賃貸人が負担すべき修繕。bearerフィールドのデフォルトもlandlordです。

賃借人負担(tenant)

通常使用に起因しない損耗、故意・過失による損傷など、賃借人が負担すべき修繕。tenant_fault区分との組み合わせで記録します。

按分(shared)

通常損耗と善管注意義務違反が混在するケース。賃貸人負担割合(0〜100%)を入力して按分記録できます。

賃借人による修繕の記録欄(民法607条の2)

2020年の民法改正で、賃借人が一定の場合に自ら修繕できる規定が明確化されました。 大家賃貸ノートは、賃借人からの通知日・緊急度・費用償還請求の有無を記録できます。請求の可否判定は行いません(弁護士法72条への配慮)。事実の記録としてのみ提供します。

Restoration

原状回復区分(国交省ガイドライン準拠)

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿った区分のみを記録します。

⚠ 退去精算金額の算定アドバイスは行いません(消費者契約法・弁護士法への配慮)。

通常損耗

経年劣化・通常の使用による損耗。国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では原則として貸主負担。

善管注意義務違反

通常使用を超える損耗(タバコのヤニ汚れ、ペットによる傷など)。原則として借主負担。

該当なし

原状回復の文脈ではない修繕(共用部の修理・予防保全など)。

tenant_faultフラグの修繕は、退去精算モジュール(Phase 2)からも参照される設計です。

Tax Filing

確定申告期に、そのまま使える形に

修繕の記録は経費モジュール・書類保存モジュールと連結され、確定申告期のエクスポートに自動で反映されます。

勘定科目別集計CSV

修繕費・租税公課・損害保険料など、勘定科目ごとに金額を集計。税理士への共有用CSV。

領収書ZIP(物件別)

{年度}/{物件名}/{修繕ID}_{日付}_{摘要}.{ext} の階層で一括出力。

家賃台帳・物件別損益サマリーPDF

修繕費を含む年間の収支を、物件×年度×収入/支出/差引で出力。

※すべての出力ファイル末尾に「税務判断はご自身または税理士にご確認ください」の免責文が自動挿入されます。

What We Don't Do

修繕履歴で「やらないこと」

大家賃貸ノートは事実の記録に徹し、税務判断・法的判断・督促代行には踏み込みません。 これは制限ではなく、サービスを長く運営するための設計選択です。

  • 資本的支出 vs 修繕費の自動判定税理士法52条
  • 原状回復費用の請求金額算定消費者契約法・弁護士法
  • 賃借人への督促・通知の自動送信弁護士法72条
  • 保険金請求書の自動作成・金額算定保険業法
  • 賃借人費用償還請求の可否判定(民法607条の2)弁護士法72条

FAQ

よくあるご質問

資本的支出か修繕費かを自動で判定してくれますか?
自動判定は行いません。所得税基本通達37-10〜37-14に基づく参考ガイド(金額20万円未満・3年以内周期等)を表示しますが、最終判定は税理士もしくはご自身にお任せします。これは税理士法52条への配慮であり、サービスを長く運営するための設計選択です。
退去時の原状回復費用を計算してくれますか?
金額算定は行いません。国交省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿った区分(通常損耗/善管注意義務違反/該当なし)の記録のみを提供します。費用の算定アドバイスは消費者契約法・弁護士法への抵触懸念があるため、踏み込みません。
賃借人が自分で修繕した場合の費用償還請求はどう扱えますか?
民法607条の2に基づく賃借人による修繕は、通知日・緊急度・費用償還請求の有無を記録できます。請求の可否判定は弁護士法72条への配慮から行いません。事実の記録としてのみ提供します。
火災保険の請求リマインドはありますか?
保険適用フラグをONにした修繕に対して、保険法95条の3年時効を踏まえた30日/90日のローカル通知をスケジュールします。本来受け取れた保険金を時効で失わないための機能です。
写真は何枚まで保存できますか?
Starterプラン(5GB)/Standardプラン(30GB、Phase 2)のストレージ枠内であれば枚数制限はありません。1枚あたりHEIC形式で数MB程度のため、数百枚規模の写真も十分に保存可能です。
Excelで管理している過去の修繕履歴は取り込めますか?
MVPでは一括インポート機能は提供していません。今後の修繕から記録を始める運用を推奨しています。Excel管理からの移行については「Excel家賃管理の限界を感じたら」のページで詳しく解説しています。
設備(給湯器・エアコン等)の耐用年数はどう決まりますか?
給湯器10年・エアコン10〜15年・コンロ10年などを参考値として初期値で持ちます。物件・設備ごとに個別に変更可能です。あくまで「次の交換時期の目安」を支える参考値であり、税務上の法定耐用年数とは別の概念としてご理解ください。
業者情報は他のページと共有されますか?
経費(SCOPE 06)と修繕(SCOPE 07)で同じ vendors マスタを共有します。一度登録した業者は両モジュールから呼び出せるため、繰り返し依頼する業者ほど入力が楽になります。

修繕の「あの時いくらだったっけ」を、一生残せる場所へ。

まずは1ユニット無料で、大家賃貸ノートをお試しください。 今日の修繕から記録すれば、退去・売却・確定申告の3つの場面で必ず効いてきます。