法務・トラブル対応

連帯保証人に家賃を請求できる?極度額・情報提供など大家の注意点

🗓 最終更新:2026年⏱ 読了 約7分👤 想定読者:滞納で連帯保証人への請求を考える大家

入居者が家賃を滞納したとき、「連帯保証人に払ってもらえるのか」「どこまで請求できるのか」は多くの大家が気になる点です。連帯保証は強い効力を持つ一方で、2020年の民法改正で大家側に求められる対応も増えました。この記事では、連帯保証人への請求にまつわる基礎と注意点を、一般的な観点から整理します。

必ずお読みください: 本記事は連帯保証に関する一般的な情報提供であり、個別の事案での請求の可否・金額や、請求行為の代行を指南するものではありません。保証の効力や範囲は契約内容によって異なります。弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。大家賃貸ノートは保証契約の記録の整理を助けるツールであり、保証人への請求・督促や手続きの代行は行いません。
この記事の目次
  1. 連帯保証人とは(連帯保証の効力)
  2. 「極度額」がないと保証が無効になりうる
  3. 大家に求められる「情報提供」
  4. 請求するときの一般的な注意
  5. 保証会社との関係
  6. アプリは「保証内容の記録」を助ける

1.連帯保証人とは(連帯保証の効力)

連帯保証人とは、入居者(主たる債務者)が家賃などを支払わない場合に、本人と連帯して支払う責任を負う人のことです。通常の保証人と違い、連帯保証人は「まず本人に請求して」と主張しにくい(いわゆる催告・検索の抗弁が認められない)など、責任が重いとされます。

そのぶん、大家にとっては心強い備えですが、後述のとおり近年は設定や対応にルールが増えている点に注意が必要です。

2.「極度額」がないと保証が無効になりうる

2020年4月施行の民法改正で、個人が連帯保証人になる「根保証」契約では、極度額(上限額)の定めが必須とされました。極度額の定めを欠く個人根保証は効力が認められないとされるため、これは保証の有効性そのものに関わる重要点です。

ポイント: 「契約書に連帯保証人の署名はあるが、極度額の記載がない」というケースは、いざというときに保証が使えないおそれがあります。極度額の金額の妥当性や設計は事案によるため、専門家に確認しましょう。詳しくは 記事09「連帯保証人の極度額」 へ。

3.大家に求められる「情報提供」

改正民法では、保証人を保護する観点から、大家(債権者)側に一定の情報提供が求められる場面があるとされます。たとえば、保証人から問い合わせがあったときの主たる債務(滞納状況など)の情報提供などが語られます。

「保証人がいるから安心」と一方的に請求すればよい、という時代ではなくなっている、という理解が大切です。具体的にどんな場面でどんな対応が必要かは、専門家に確認するのが安全です。

4.請求するときの一般的な注意

連帯保証人へ請求する場合も、滞納対応の基本は変わりません。一般的に次の点に注意が必要とされています。

  • 請求できる範囲は極度額の枠内(個人根保証の場合)
  • 過度・威圧的な取り立ては避ける(保証人に対しても同様/記事15
  • 滞納の内訳・経緯を正確に伝えられるよう記録しておく
  • 取り立て・回収を「業として」他人に代行させることには法律上の制限がある(弁護士法など)
迷ったら専門家へ: どこまで・どう請求するかは事案によって異なります。内容証明や法的手続きが視野に入る場合は、自己流で進めず弁護士・司法書士に相談しましょう(→記事36記事38)。

5.保証会社との関係

近年は連帯保証人に加えて、あるいは連帯保証人の代わりに家賃保証会社を利用するケースが増えています(→記事41)。両方ある場合・保証会社のみの場合で、滞納時にどう動くかは契約により異なります。

自分の契約が「連帯保証人」「保証会社」「両方」のどれなのか、保証範囲はどこまでかをあらかじめ把握しておくことが、いざというときの落ち着いた対応につながります。

6.アプリは「保証内容の記録」を助ける

大家賃貸ノートは、連帯保証人・保証会社の契約内容を記録するところをサポートします。保証人の連絡先・極度額・保証会社名・保証範囲などを契約にひもづけて残せるため、滞納時に「誰に・どこまで・どう連絡すべきか」をすぐ確認できます。

「記録は残す。請求・督促は代行しない」: 大家賃貸ノートは、連帯保証人への請求や督促を行ったり代行したりはしません。残せるのはあくまで大家本人が把握しておくための保証内容の記録です。請求の可否・進め方は専門家に確認してください。

連帯保証は強い備えですが、「極度額」「情報提供」など近年のルールを踏まえた扱いが必要です。保証内容を記録しておき、請求の可否と進め方は専門家とともに正攻法で進めるのが安全です。

あわせて読みたい
保証内容を、記録から整える

大家賃貸ノートは、連帯保証人の連絡先・極度額・保証会社・保証範囲を契約単位で記録できます(請求・督促や手続きの代行は行いません)。整理しておけば、滞納時の対応も専門家への相談もスムーズです。データは国内に保存し、端末ロックで守ります。まずは無料でお試しください。

App Storeで大家賃貸ノートを見る

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の請求の可否・金額や請求行為を指南・代行するものではありません。連帯保証に関する判断・手続きは、弁護士・司法書士などの専門家にご相談ください。制度は改正で変わりうるため、最新情報を確認してください。

👤
記事監修者
古賀 雅
宅地建物取引士・マンション管理士・ファイナンシャルプランナー

1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。

関連記事

法務・トラブル対応
家賃保証会社の仕組みと選び方:滞納の自己解決を支える土台

家賃滞納対策で最も現実的とされる「家賃保証会社」を大家向けに一般的に解説。保証会社の仕組み、連帯保証人との違い、選ぶときに確認したい点、滞納時の流れ、そして保証内容の記録を助けるアプリの考え方を整理します。

法務・トラブル対応
賃貸借契約はすぐ解除できる?「信頼関係破壊」の考え方と大家ができる準備

家賃を1回滞納したら契約解除できる?という疑問に、大家向けに一般的に解説。賃貸借の解除で語られる「信頼関係破壊の法理」、催告と解除の関係、ペット・無断転貸など滞納以外の違反、そして解除を見据えて記録でできる準備とアプリの考え方を整理します。

法務・トラブル対応
賃貸借契約を公正証書にする:滞納に備える「強制執行認諾」の基礎

家賃滞納に備える選択肢として知られる「公正証書」を大家向けに一般的に解説。強制執行認諾文言とは何か、公証役場で自分で進める流れ、賃貸借では使える場面が限られるという注意点、そして記録の整理を助けるアプリの考え方を整理します。

法務・トラブル対応
トラブルが起きる前に。大家が契約時に自分でできる「予防法務」まとめ

家賃滞納や退去トラブルは、起きてからの対応より「契約時の備え」で大きく変わります。家賃保証会社の活用、連帯保証人と極度額、公正証書、特約・緊急連絡先の整備など、大家が自分でできる予防法務を一般的な観点から整理。記録の整理を助けるアプリの考え方も解説します。

法務・トラブル対応」の記事をもっと見る →
← 前の記事
契約解除の要件
次の記事 →
連絡が取れない・所在不明