少額訴訟・支払督促とは?家賃トラブルで大家が知っておく基礎
連絡や催告をしても家賃が支払われないとき、「少額訴訟」「支払督促」という言葉を目にすることがあります。どちらも比較的手軽に使えると紹介される簡易裁判所の手続きですが、向き不向きや、相手が異議を出したときの流れには注意が必要です。この記事では、両者の基礎と違いを一般的な観点から整理します。
1.どちらも「簡易裁判所」の手続き
少額訴訟も支払督促も、簡易裁判所で利用される、比較的負担の軽い手続きとして知られています。弁護士に依頼せず本人が利用するケースも紹介されますが、家賃トラブルでは契約解除や明渡しと絡むことが多く、専門家に相談したほうが安全な場面が少なくありません。まずはそれぞれの性格を押さえましょう。
2.少額訴訟の基礎
少額訴訟は、比較的少額の金銭の支払いを求めるための、簡易裁判所の特別な訴訟手続きとして用意されています。一般に次のような特徴が紹介されます。
- 請求金額に上限がある(少額の金銭請求が対象)
- 原則として1回の期日で審理し、その日のうちに判決が出ることが多いとされる
- 同じ人が利用できる年間の回数に制限があるとされる
3.支払督促の基礎
支払督促は、原則として書類審査だけで進む手続きで、申立てを受けた簡易裁判所の書記官が、相手方に支払いを命じる「支払督促」を出す仕組みとして紹介されます。
- 裁判所に出向く期日が基本的に不要とされる(書類中心)
- 相手が一定期間内に異議を出さなければ、強制執行につながる手続きへ進めるとされる
- 相手が異議を出すと、通常の訴訟手続きに移行するとされる
「書類だけで進む手軽さ」が利点として語られますが、その手軽さは相手が異議を出さないことが前提である点に注意が必要です。
4.両者の違いと向き不向き
一般的な性格の違いを整理すると、次のようなイメージです(実際の選択は事案と専門家の判断によります)。
どちらも「相手が争わなければ手軽」「争えば結局は通常の訴訟」という性格を持ちます。だからこそ、相手の出方や事案の性質を見て選ぶ必要があり、専門家への相談が前提になります。
5.「相手が異議を出すと変わる」点に注意
また、未払い家賃の回収と建物の明渡しはしばしばセットで問題になりますが、明渡しは別の手続き・判断が関わります。家賃トラブルは「お金」だけでなく「部屋を返してもらう」局面が絡みやすいため、全体像を専門家と確認するのが安全です。
6.手続きの前に整えておきたい記録
どの手続きを取るにしても、土台になるのは事実の記録です。専門家に相談する際も、これがそのまま判断材料になります。
- 賃貸借契約の内容(賃料・支払期日・解除条項など)
- 滞納の内訳(どの月・いくら)と滞納日数
- これまでの督促・連絡の経緯(日付・方法・内容)
- 内容証明などを送っている場合はその記録(記事36)
- 保証会社・連帯保証人の有無と契約内容
これらが整理されているだけで、専門家への相談も、その後の手続きもスムーズになります。
7.アプリの役割は「記録の整理」まで
大家賃貸ノートは、こうした法的手続きに関して記録を整えるところまでをサポートします。契約内容・滞納の内訳・督促の経緯を大家本人のためのメモとして残せるため、弁護士・司法書士や簡易裁判所に相談するときに、状況をそのまま伝えられます。
少額訴訟も支払督促も、「手軽に見えて、相手が争えば変わる」手続きです。だからこそ、自己流で進める前に、記録を整えて専門家に相談するのがいちばんの近道です。記録に徹し、判断と手続きは正攻法で ── それが大家自身を守る基本です。
大家賃貸ノートは、契約内容・滞納の内訳・督促の経緯を本人用に記録できます(申立書類の作成や手続きの代行は行いません)。事実が整理されていれば、弁護士・司法書士や簡易裁判所への相談もスムーズです。データは国内に保存し、端末ロックで守ります。まずは無料でお試しください。
App Storeで大家賃貸ノートを見る※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の事案でどの手続きを取るべきか・書類の作成や手続きを指南・代行するものではありません。少額訴訟・支払督促など法的手続きは、弁護士・司法書士、または管轄の簡易裁判所にご相談ください。制度の要件や金額は改正で変わりうるため、最新情報を確認してください。
1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。