収支内訳書(不動産所得用)の書き方と必要な記録
確定申告で不動産所得を申告するとき、白色申告では「収支内訳書(不動産所得用)」を添付します。「どの欄に何を書けばいいの?」と毎年迷う方も多いはず。この記事では、収支内訳書の収入欄・経費欄の書き方を項目ごとに整理し、そのために一年間どんな記録を残しておけばよいかをセットで解説します。
1.収支内訳書(不動産所得用)の役割と全体像
収支内訳書は、その年の収入と経費の内訳を示し、不動産所得(収入 − 経費)がいくらだったかを明らかにするための書類です。確定申告書に添付して提出します。大きく分けて次の3つのブロックでできています。
- 収入金額:家賃・礼金・更新料など、その年に得た収入
- 必要経費:租税公課・損害保険料・修繕費・減価償却費など、勘定科目ごとの支出
- 所得金額:収入から経費を差し引いた金額(=不動産所得)
さらに、物件ごとの賃貸状況(所在地・賃借人・賃貸料など)を記入する欄もあります。つまり収支内訳書は、一年分の家賃台帳と経費帳を、決められた様式に並べ替えたものと考えると分かりやすいです。
2.収入金額の欄の書き方(賃貸料・礼金・更新料など)
収入金額の欄には、その年に受け取った(または受け取ることが確定した)収入を記入します。主な項目は次のとおりです。
- 賃貸料:家賃・共益費など。各部屋の月額 × 賃貸月数が基本
- 礼金・権利金:契約時に受け取り返還しないもの
- 更新料:契約更新時に受け取るもの
- その他:駐車場使用料など(消費税の扱いに注意)
計上のタイミングには注意が必要です。たとえば前家賃(前月末に翌月分を受け取る)の場合や、年をまたぐ入金の場合、「いつの年の収入になるか」で迷うことがあります。基本的にはその収入が確定した時期で考えますが、判断に迷うケースは税理士・税務署に確認しましょう。
共益費・駐車場代は分けて把握する
住居用の家賃は消費税が非課税ですが、駐車場の使用料や事業用テナントの賃料などは扱いが異なる場合があります。記入や集計の段階で困らないよう、賃料・共益費・駐車場代は最初から分けて記録しておくのがおすすめです。
3.必要経費の欄の書き方(勘定科目ごと)
経費の欄は勘定科目ごとに金額を記入します。不動産所得でよく使う勘定科目には、次のようなものがあります。
4.そのために必要な「日々の記録」
収支内訳書をスムーズに書くために、一年を通じて残しておきたい記録は次のとおりです。各欄に「対応する記録」があるイメージを持つと、記入が一気に楽になります。
- 収入欄のための記録:部屋ごと・月ごとの賃料/共益費/駐車場代と入金状況、礼金・更新料の受領記録
- 経費欄のための記録:支出の日付・金額・取引先・勘定科目・領収書画像
- 取引先情報:必要に応じて、適格請求書発行事業者の登録番号(インボイス)など
- 減価償却のための情報:建物・設備の取得年月日・取得価額・耐用年数(計算自体は専門家に相談すると安心)
これらを支出・入金のたびに記録しておけば、申告期には「集計された数字を様式に転記するだけ」になります。逆に、領収書を箱にためたり、入金確認を通帳任せにしていると、申告期に大量の手作業が発生します。
5.提出までの流れと、税理士へ渡す場合の準備
収支内訳書を作成したら、確定申告書に添付して、e-Taxまたは書面で提出します。流れを整理すると次のとおりです。
- 一年分の収入・経費を集計する(記録が整っていればここが一瞬で終わります)
- 収入欄・経費欄に金額を転記し、不動産所得を計算する
- 確定申告書とあわせて提出する
税理士に依頼する場合は、集計済みのデータ(CSVなど)と領収書を渡すと、やりとりがスムーズです。「数字がバラバラの紙の束」を渡すよりも、整理されたデータの方が、相談も依頼もスピーディーになります。
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App Storeで大家賃貸ノートを見る※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、税務に関する個別の助言ではありません。具体的な記入方法・判断は税理士・税務署にご確認ください。様式・制度は変更される場合があります。最新情報は国税庁の公式情報をご参照ください。
1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。