確定申告・税務

アパート・マンション売却と譲渡所得税の基礎(短期・長期と所有期間)

🗓 最終更新:2026年⏱ 読了 約8分👤 想定読者:賃貸物件の売却を考え始めた大家

賃貸物件を売却すると、利益(譲渡益)に対して譲渡所得税がかかることがあります。ここで知っておきたいのが、所有期間によって税率が大きく変わること、そして売却益の計算には取得費や減価償却が関わることです。「思ったより税金が高かった」を避けるために、基礎を押さえておきましょう。この記事では一般的な観点から整理します。

必ずお読みください: 本記事は譲渡所得税に関する一般的な情報提供であり、個別の税額計算・特例の適用・申告内容を判断するものではありません。譲渡所得の計算は要件が細かく、結論は事案によって変わります。必ず税理士・税務署にご確認ください。大家賃貸ノートは取得・売却・経費の記録の整理を助けるツールであり、税額計算や特例判定は行いません。
この記事の目次
  1. 譲渡所得税とは(利益に対する税金)
  2. 短期と長期で税率が変わる
  3. 「所有期間」の数え方に注意
  4. 売却益の計算と「取得費・減価償却」
  5. 出口戦略との関わり
  6. アプリは「取得・売却の記録」を助ける

1.譲渡所得税とは(利益に対する税金)

譲渡所得税は、不動産を売って利益(譲渡益)が出た場合に、その利益に対してかかる税金です。家賃収入にかかる不動産所得とは別の所得(譲渡所得)として扱われる、という点がポイントです。

売却額がそのまま課税されるのではなく、利益の部分に対して課税される、という基本を押さえておきましょう。

2.短期と長期で税率が変わる

譲渡所得税の大きな特徴は、所有期間によって税率が大きく異なることです。一般に、所有期間が長い「長期譲渡」より、短い「短期譲渡」のほうが税率が高いとされます。

目安: よく「所有期間5年」を境に長期・短期が分かれ、短期のほうが税率が高い、と説明されます(具体的な税率は制度で定められ、改正もありうるため本記事では断定しません)。「早く売ると税率が高くなりやすい」という方向感を知っておくと、売却時期の検討に役立ちます。

3.「所有期間」の数え方に注意

注意したいのが、所有期間の数え方です。一般に、「売った年の1月1日時点」で何年所有していたかで判定される、と説明されます。単純に「購入から○年」ではないため、あと少しで長期になるのに短期で売ってしまうといったことが起こりえます。

「いつ売ると、長期・短期どちらの扱いになるか」は税負担に直結します。売却のタイミングは、必ず税理士に確認してから判断しましょう。

4.売却益の計算と「取得費・減価償却」

課税対象となる利益は、ざっくり言うと「売却額 −(取得費 + 譲渡費用)」のような形で計算される、と説明されます。ここで重要なのが取得費です。

  • 取得費:その物件を買ったときの金額など。これが分からないと不利になることがあるとされる
  • 減価償却との関係:保有中に減価償却した分は、取得費の計算に影響するとされる(→記事61
  • 譲渡費用:売却にかかった費用(仲介手数料など)

つまり、買ったときの資料や保有中の記録が、売却時の税額計算に効いてきます。「取得時の契約書や領収書が見つからない」と困ることもあるため、記録の保存が大切です。

5.出口戦略との関わり

売却(出口)のタイミングは、税金だけでなく賃貸経営全体の戦略に関わります。一般に、減価償却が終わる前後(→記事62 デッドクロス)、大規模修繕の前(→記事59)、所有期間が長期になる時期などが、検討の節目として語られます。

また、立ち退きを伴う売却では立退料の論点も関わります(→記事50)。「いくらで売れるか」だけでなく「税金・費用を引いて手元にいくら残るか」で考えるのが、出口戦略の基本です。判断は税理士・専門家に相談しましょう。

6.アプリは「取得・売却の記録」を助ける

大家賃貸ノートは、譲渡所得の相談に向けた記録を整えるところをサポートします。取得時の金額・時期、保有中の経費や修繕、売却に関する情報を物件にひもづけて残せるため、税理士に相談するときに必要な資料をそのまま渡せます。

「記録は残す。税額計算はしない」: 大家賃貸ノートは、譲渡所得税の計算や特例の適用判定を行うものではありません。残せるのは大家本人のための記録です。計算・判定は税理士・税務署に確認してください。

売却の税金は「所有期間で税率が変わる」「1月1日基準で判定」「取得費・減価償却が計算に効く」が基礎です。手元にいくら残るかで出口を考え、タイミングと計算は税理士に相談を。取得時からの記録が、その判断を支えます。

あわせて読みたい
記録は残す。税額計算はしない

大家賃貸ノートは、取得時期・金額、保有中の経費・修繕、売却情報を物件にひもづけて記録できます(譲渡所得税の計算や特例判定は行いません)。取得時からの記録が残っていれば、売却時の税理士相談もスムーズです。データは国内に保存し、端末ロックで守ります。まずは無料でお試しください。

App Storeで大家賃貸ノートを見る

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の譲渡所得税の計算・特例の適用・申告内容を判断するものではありません。譲渡所得に関する取り扱いは税理士・税務署にご相談ください。税率・特例は改正で変わりうるため、最新情報を確認してください。

👤
記事監修者
古賀 雅
宅地建物取引士・マンション管理士・ファイナンシャルプランナー

1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。

関連記事

確定申告・税務
減価償却ってそもそも何?大家のための仕組みと耐用年数の基礎

不動産投資・賃貸経営で必ず出てくる「減価償却」を、大家向けに一般的な観点からやさしく解説。建物と土地の違い・耐用年数・中古物件の考え方など仕組みの基礎を整理。計算や判定は税理士へ、記録は自分で——というアプリの立ち位置も紹介します。

確定申告・税務
不動産所得が「事業的規模(5棟10室)」になると変わること

不動産賃貸で語られる「事業的規模(5棟10室基準)」とは何か、大家向けに一般的に解説。事業的規模になると青色申告特別控除・専従者給与・貸倒れの扱いなどがどう変わるとされるのか、判定の考え方を整理。適用判断は税理士へ、記録を助けるアプリの立ち位置も紹介します。

確定申告・税務
相続したアパート、1年目の確定申告で慌てないための準備

相続でアパートを引き継いだ1年目の確定申告は、いつもと違う論点が増えがち。準確定申告や減価償却の引き継ぎといった「知っておきたいポイント」と、申告期に慌てないために今から残すべき記録を、知識ゼロから順番に解説します。

確定申告・税務
個人と法人、損益通算・繰越はどう違う?大家が法人化を考える前に

不動産投資で話題になる「法人化」。個人と法人で税金・損益通算・損失の繰越・経費の範囲がどう違うのかを大家向けに一般的に整理。法人化のメリットと注意点、判断のタイミングの考え方を解説。判断は税理士へ、記録を助けるアプリの立ち位置も紹介します。

確定申告・税務」の記事をもっと見る →
← 前の記事
個人と法人・損益通算
次の記事 →
事業的規模(5棟10室)