回収できなかった家賃はどうなる?「貸倒れ」の一般的な考え方と記録
督促や法的手続きを尽くしても、滞納された家賃が結局回収できなかった── 大家にとってつらい場面です。このとき気になるのが、「取れなかった家賃は経費(損失)にできるのか」という税務の話です。これは「貸倒れ」と呼ばれる論点ですが、扱いは慎重な判断を要します。この記事では、一般的な考え方と論点を、断定を避けて整理します。
1.そもそも未収家賃は「収入」に入っている?
不動産所得では、家賃をいつの収入として計上するかに考え方があります。実際に入金された分だけでなく、契約で支払日が定まっているものは、未収(滞納)でもその年の収入に含めて計上するという整理がされることがあります(→記事03 家賃の帳簿)。
つまり「滞納されてお金は入っていないのに、収入として申告する」場面がありうる、ということです。貸倒れの話は、この「いったん収入に計上した未収家賃が回収不能になった」ときの取り扱いとして出てきます。具体的な計上時期の考え方は税理士に確認しましょう。
2.「貸倒れ」とは(一般的なイメージ)
貸倒れとは、回収できなくなった債権(ここでは未収家賃など)を、一定の要件のもとで損失として扱うという考え方です。一般に、次のような状況が議論されます(要件は細かく、ここでは断定しません)。
- 相手の状況などから回収できないことが明らかになったとされる場合
- 法的な手続きなどで債権が切り捨てられたとされる場合
3.判断が分かれやすい論点
貸倒れは、次のような点で判断が分かれやすいとされ、専門家の関与が前提になります。
- 計上できるタイミング(いつの年分か)
- 「回収不能」と言える状況かどうかの評価
- そもそもその未収家賃を収入計上していたかとの関係
- 少額の継続取引などで語られる特別な扱いの有無
これらは事案ごとに結論が変わるため、本記事では「こうすれば貸倒れにできる」とは述べません。判断は税理士へが大原則です。
4.記録が判断材料になる
貸倒れの判断でも、土台になるのは事実の記録です。税理士に相談する際、これがそのまま判断材料になります。
「回収のために何をして、どこまで難しかったか」が記録されているほど、税務の相談も回収の相談もスムーズになります。
5.回収を尽くす流れと貸倒れの関係
貸倒れは「あきらめの処理」ではなく、正攻法で回収を尽くした結果として語られる面があります。まずは督促・保証会社・法的手続きという回収の流れ(→記事15)を、専門家とともに正規の方法で進めることが先です。
6.アプリは「滞納・回収経緯の記録」を助ける
大家賃貸ノートは、貸倒れの相談に向けて記録を整えるところをサポートします。滞納の内訳・督促や手続きの経緯を本人用に残せるため、税理士・専門家に相談するとき、状況をそのまま伝えられます。
回収できなかった家賃の扱いは、要件が細かく判断が分かれる論点です。自己判断せず、回収は専門家と正攻法で進め、税務は税理士に相談する ── 記録を整えておくことが、その両方をスムーズにします。
大家賃貸ノートは、滞納の内訳・督促や手続きの経緯を本人用に記録できます(貸倒れの判定や税額計算は行いません)。記録が整っていれば、税理士・専門家への相談もスムーズです。データは国内に保存し、端末ロックで守ります。まずは無料でお試しください。
App Storeで大家賃貸ノートを見る※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の貸倒れの可否・計上時期・金額を判断するものではありません。税務の取り扱いは税理士・税務署に、回収手続きは弁護士・司法書士にご相談ください。制度は改正で変わりうるため、最新情報を確認してください。
1980年生まれ、福岡県出身。西南学院大学卒業。3児の母。子育てをしながら義母の不動産会社のサポートを行っている。